てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。基本長いので長文が無理な方はお気をつけを

テロと教育-マララ氏はテロ支援者

マララ氏はテロ支援者―教育先行はテロを生みだす
―という記事につぶやいたことについてのまとめです。挑発的なタイトルが故に炎上していたみたいですが、イスラムのテロリストがいかなる人間から生まれるかという背景を知っていると特に違和感もなく理解できる話なんですけどね。

 義務教育レベルと高等教育とか言いたいことは色々ある話ですけど、あえてマララさんはテロリストと言いたい―という挑発的なメッセージが不謹慎教の人々の反感を煽ったんでしょうね?当為と事実の区別をつけられない人は怒りそうですもんね。

 教育は不要!ということではなく、「マララ氏の言うような」教育は不必要と言いたいわけでしょ、これ。この違いがわかってない人が食いついたんでしょうね。やっぱこういうのは、「教育が必要なのは言うまでもない話だが、雇用を無視しては意味が無い、イスラム圏では云々~」という形で書かないと誤解する人が多いんだろうな~と思いました。

 記事中でもちらっと書かれていますけど、イスラム圏だと、高等教育を受けた人間、高い教育を受ければ受けた人間ほど、テロに走りやすい。イスラムを信仰するエリートは、エリートの責務としてのテロに走りやすいという背景があるんですね。ですから社会が根本的に変わって近代化され、身の回りの同じムスリムが貧困で苦しむというような背景がなくならない限り、むしろテロリスト要請になってしまう。このような状況を生み出す米欧世界に、特に米と戦わなければ!となる人間を量産する危険性があるんですよね。

 そういうテロリズムというものに対する文明での価値観の違いというのは『日本人のためのイスラム原論』でも書かれていましたが、彼らの文明では悪と戦うエリートということでごく当たり前の発想であり、賞賛されるべき行為なんですよね。それを理解しないとイスラム圏のテロということが理解できない。もちろん言うまでもなく貧困による、下層・下流出身のテロリストも当然いますけどね。

 ビンラディン見ればわかるように大金持ちがテロを積極的に実行していることからわかるように、そういう人が出るのはおかしいことではないんですよね。別に彼一人が頭のおかしい人ではないことを理解しておかないと「テロとの戦い」なんて永久に勝てないし、終わらないでしょう。もちろん我々の文明観からすると彼は狂ってるんですが。

 まあ、いくらなんでも「教育がいればよかったんや!後のことなんかほっといても高い知的層が問題を自然に解決してくれるんや!」なんて主張をする人はいないでしょうけど、まず社会の富を増やす、安定化をはかるために雇用・仕事、インフラとか色々手を付けることがありますよね。そういうことから着実にやりましょうという当たり前の話ですよね。

 マララさんアプローチでも、そういうエリート&テロリストを要請するようなことになるとは考えづらいですけどね。ハイレベルの大学をそう簡単に作れませんし、教員を集めて、英語で授業が理解できるというところに行くまではさすがに無理でしょう。なんちゃってエリートは出来るかもしれませんが。そのなんちゃってエリートが勘違いして&その高等教育に見合った職がなくてテロリストに!なんてことは考えられるかもしれませんが。

 まあ身の丈にあった社会改革とはなにか?を考えて近代化政策を着実に取るという当たり前のところに落ち着くでしょうね。マララさんはある種偶像化してしまってますから、過度な期待・支援で変な方向に行ってしまうリスクはたしかに有りますからね。結局国家プロジェクトあってのものですからね、あまり彼女一人に変な期待・プレッシャーを掛けてほしくないですね。

 ※追記、途上国での女性を救うためのの寄付を―というチラシを見ました。どうも児童労働とか早婚とか、そういうのを防ぐ唯一有効な手立てが学校を作ってそこに通わせることだという信念というか思い込みがあるようですね。まあ、それが単純な思い込みだったら話しが早いんでしょうけど、女児を劣悪な社会環境から救うためには唯一の打開策という背景がきっとあるんでしょうね、この教育じゃあ!というムーブメントと、それへの批判に対して「何を抜かすか貴様ァ!」というバッシングは。結局こういうのは周りがいくらとやかく言っても、途上国の内部から優秀なリーダーがヴィジョンをきちっと示せないとどうにもならないですね。その点内部から新しく出てきたマララさんというリーダーがいる分、まだ期待が持てるということなのでしょうかねぇ。

※一応関係ある過去記事―2014年ノーベル賞ネタ
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