てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。基本長いので長文が無理な方はお気をつけを

人質事件でのおかしな反応、左編I'm not Abe

今回の人質事件で左右どちらにもおかしな反応が見られたのでその話を。人質事件でのおかしな反応、左編です。

 ISISという国(組織)は主権国家として近代国際法秩序を守ろうとしていない。以前書いたようなヤズディ教徒を奴隷にしたり、無法者テロリスト集団。それと戦うのは当たり前、いかにイラク戦争侵略戦争だったとしても、国際法・秩序を守る気がない武装勢力の集団と戦うのは大国の責務です(G8でもISISと戦うことは合意ができています)。

 まず、何の関係もない民間人をさらって身代金を要求するというテロリスト側に非があることは言うまでもない。安倍の中東訪問のタイミングに合わせただけで、それを安倍の責任にするのは無理がある。トップの安倍がわざわざ行くということは、国際的な課題であるISISと戦うための支援を約束するに決まってます。

 人道的な支援、非軍事支援を以って、それを十字軍とする、宗教的なイデオロギーで説明をするなど論理が無茶苦茶であることは言うまでもありません。
日本はキリスト教国ではありませんし、そこにキリスト教的なイデオロギーはないのですから。
 ※ISISの兵士の賃金は月400ドル、配偶者手当が100ドル、子供手当が一人50ドルという話を聞きました。貧しいがゆえに、高い給料に惹かれて志願する構造が存在するでしょう。しかし難民支援や民生の安定を日本がすれば、彼らの軍事上の問題(兵士の供給不足)になることも考えられます。つまりテロリストの身勝手な理由をそこに見出す事もできるでしょう。

 安部総理は憲政の常道を理解しない危険な政治家であることは間違いありませんが(昨今では安倍氏一人に限ったことではありませんが)、今回の事件を以って辞任しろという政治主張をすることは、同じくらいおかしな・危険な論理です。一国の総理がこんなことでコロコロ辞められたらたまったものではありません。もし、同じようなことが起こって、自分の支持する政治家・総理に辞任せよ!と主張できるのでしょうか?このような論理を唱える人は。

 このような歪んだ主張は、台風が来るのも吉田が悪い的な難癖以外の何物でもないでしょう。

 今回、古賀氏が「このような安倍外交を日本人の大部分が納得していない、我々はI'm not Abe」ということをPRすべきだということを述べていました。言うまでもなくこのような主張に論理整合性があるとは思えません。

 古賀氏は改革派官僚として霞ヶ関の改革の骨抜きなどの危険性を解説する有識者でしたが、安保・外交面になるとからっきしの人ですね。個人的に専門分野でまっとうなことを主張できればそれ以外ではどんなおかしなことを言っても気にはしませんが、これによってバランス感覚がない人として、信頼を落とすことになるでしょう。


 検証されるべきはNSCなどがきっちり機能したのか?また、人質事件以前からの対応、ジャーナリストの常岡氏などが、中田氏とISIS側から湯川氏の裁判をするから、来てくれと言われ、そのISIS入りを妨げたこと。もし、説得に成功して湯川市の解放が決まっていたら、後藤さんが危険を犯すこともなかったということ、それが正しいといえるかどうか?

 ISISと良い関係ではないヨルダンではなく、トルコに本部を置くべきだと言われている。どうしてトルコに対策本部を置かなかったのか?―などなどそういうことを検証し、安倍外交能力を問うべきでしょう。

 歪んだ論理からなる歪んだ批判は、敵を理するだけです。