中国企業が日本式経営を導入
NHKで中国で日本式経営の導入がされているというのをやっていました。中国企業の日本式経営の導入って完全に迷走しているような気がします。経営者自身を殿様、知事だったり皇帝のような身分制の下の序列に組み込むことができない。個人崇拝・尊敬させる事ができないから、違うモデルを導入する。それが稲森さんの経営倫理の導入という形になってる気がしますね。
稲森さんを孔子みたいに崇め奉ることで、稲盛経営学を儒教の代替装置にしている気がしますねぇ。従業員を家族のように扱う、大切にする―これは市場経済の論理をうまく導入して適応しようというよりも、またそれでは問題があるから、資本主義の問題に対処するために社会ネットワークを充実させようとか、そういった適切な反応ではない気がしますね。まあ今の中国社会ではそもそも、資本主義社会でこういう問題があるから、社会福祉を充実させたり、地域ネットワーク云々とかが、そもそもできないのでしょうけどね。
従業員を大切にする家族式経営の導入といえば、聞こえはいいんでしょうが、中国は家族倫理の国。根本規範が血縁原理。そしてそれを前提にした地縁原理でできていますからね。日本と中国じゃそもそも前提の規範・常識がそもそも違う。会社に中国の家族感を投影させて、企業=疑似家族という価値感を反映させてしまって、中途半端なものに終わっちゃう気がしますね。
もし、それが成功したらしたで、かえって企業の内部論理が優先するということで企業不祥事が増えるなどの問題が多発するでしょうし、コネ社会に拍車をかけるでしょうからね。
なんというか、中国の人は論語を読んで、そのとおりにやれば全てうまくいくみたいなものを欲しているんだろうなぁと思いますね。それがかつては毛沢東の語録だったのが、いまそれが崩壊して、その代替を求めているという感じ。稲森さんが一時的なその穴埋めに使われているという気がしてなりませんねぇ…。