てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。基本長いので長文が無理な方はお気をつけを

民主党は現実の労働者に目を向けよ!労働問題に力を入れるべし

民主党は浮世離れしている。アンチビジネスの感じがする、だから変なアベノミクスでも経済への志向性がある自民がまだましという指摘を見て思ったこと。やはりそういうものは民主にあるという気がします。自民党の場合生活感があるが、民主党にはない。経済の感覚、農業だったり、土建だったり業界限定とはいえど、そこから派生して現場との繋がりが自民にはある。しかし民主党は業界とのしがらみがなく、思い切った改革ができる反面、鳩山さん然り、そういう感じがない。いわんや菅直人。この活動家、市民運動というのが本当に「市民」であって、現実に生きている、生活に根付いた人を相手にするものであったら…。

 生活と分裂して小沢一派が離党して、その国民の生活という現実性から更に遠ざかった負のイメージは強い。弁護士系のエリートなどやはりそういう泥臭い現実を持つ人と繋がりがある感じがしない。それが間違いとはいわないが、経済に強いというイメージをもたせられるような人がいないのは致命的。ミスター年金のような政治のプロがいても、じゃあ経済は?となると…。もちろんその点はプラスなので経済での対抗軸だったり、手綱を操る能力が求められる。

 今の民主党のストロングポイントがよくわからない。見えてこないというのは国民の思うところでしょう。この点をどうするのか?

 民主は他所の店の悪口ばっかり言ってるくせに、いざ自分の店では食べられるレベルのものを出せなかったという批判も見ました。例えるなら「この豚バラ煮込みはできそこないだ、食べられないよ。」と料理批判していた山岡士郎が作った豚バラが、美味しくなかったっということでしょうか。

 それが的を射ているかさておき、「評論家としては一流でも政治家としては二流」そういう風に見られていることを民主党はよく理解しなければならないでしょう。

 上手く批判することは出来ても、実際にやらせてみたらダメだった。前回これで民主党は国民から見放された。であるならば、「次もう一度やらせてみたら今度は間違いなく上手くやれる」と思わせることでしょう。もし、アベノミクスが大失敗したならともかく、今はそこそこうまくいっている(個人的には長くは持たないと思いますが)。アベノミクス大失敗の批判票がない限り、民主党に票が流れる以外の民主党・野党の勝利という図式は考えにくいでしょう。
 
 年金の管理・運用失敗で国民が「自民にお灸を据えよう」と思ったのが、民主党への政権交代の始まりでした。小泉が出てくると政権交代の可能性があったのに、民主党への支持が集まらずに惨敗したように、民主党はそもそも自民党の有力な対抗馬であったことはない。つまり、自民党の失敗があって初めて政権を託される、二番手に過ぎない。自民党にお灸を据えたいときにしか票が伸びないということはよく理解すべきでしょう。

 これは別に、民主党がダメだとかそういうことではなく、今の報道状況や政治運動が制限されている事情を考えて、わずかに与えられたチャンスを一度で活かして大きな成果を残さないと、無党派は積極的に支持をしてくれないからですね。

 自民党よりはマシだから&自民党を絶対に許せない!という動機で民主党・野党に票を入れ続ける有権者はそこまで多くない。少なくともそれによる無党派の票で自民党よりも票を取れるという政治風土にないからですね。

 基本的には敵失を待つという形にならざるをえないでしょう。その時まで選挙協力をしっかり進めておくというのが最低条件です。それだけではなく、民主党が次は大丈夫!次はやれる!と思わせておくことも大事なポイントです。

 自民党への投票を考えている人には、「あそこにはワタミがいるんだぞ」で十分と思っていますが、今回多くの人はそれで自民党に入れなくても民主党に入れるという選択にまでは至りませんでした。多くのサラリーマンがブラック企業ならずとも、労働条件を良くしてくれる政党を望んでいる。民主党にとっては、そのような労働者をターゲットに改革を訴える。労働条件の改善をすべきだとこれまで何回も書いてきました。

 ドイツでは夜8時以降のサラリーマンの労働は法律で禁止されており、抜き打ち検査でチェックされる。もしやっていたら人事部長は刑務所行きという刑法まで出来ているとか。民主党政権だった時に、いきなりドイツを見習って8時以降残業させる経営者は逮捕!にしておけば-とは言いませんが、民主党政権がこのまま続けば、いずれ必ず労働状況が良くなる。ブラック企業がなくなっていくといった期待を抱かせることが出来なかったのは何故だったのでしょうか?

 それを民主党は真摯に反省すべきですし、次はそれが出来るように政治家がきっちり訓練を詰む。具体的には学者だったり、元官僚だったり、経営者などを集めてどうやったらそれが出来るのかという講習・勉強会をしっかりやることですね。次の政権では間違いなくそれが出来るようにする。事前準備をしておくべきです。労働問題でのスペシャリストを作ること、もしくは外部招聘してそのまま立候補してもらってもいいです。そこに力を入れるべきですし、それで民主党の存在をPRすべきでしょう。

 ※個人的には大前研一サイレントマジョリティを味方につけろ、サラリーマンのための第三次農地改革やサラリーマンのための政党を作り、改革を実行すべきという意見が民主党にとっても大いに参考になるでしょうから、大前研一を参謀でなくても顧問として招いて意見を大いに取り入れるべきだと思います。

 どうしてこれまで、労働問題のスペシャリストがいなかったのか疑問ですが、野党4党が「同一労働同一賃金推進法案」を衆院に提出 にあるように(リンクではまだみんなの党がある14/11の話ですが)、民主・維新・生活が共同で同一労働同一賃金法案を提出しました。これはいい傾向だと思います。

 日本の労働状況・環境で同一労働同一賃金を採用しても、意味が無いという意見もあるようなので、これによって即労働問題が解決するということになるとは思えませんが、改善の一歩になるでしょうし、有権者にいいPRになったと思います。

 ※余談ですが、今じゃブラック企業の代名詞となって、すっかり落ち目になってしまったワタミ・渡辺さんですが、この先どうするんでしょうか?政治家転身がこのままうまくいくとは到底思えません。自民党ブラック企業問題でワタミを通じて叩かれることがありますし、自民党にとっても厄介なリスクを抱え込んだと思います。以前も書きましたが、ワタミ爆弾がこのまま何の爆発もせずに消えていくとは思えないのですが、どうなりますかね…。自民党は二期目も渡辺さんに出馬を求めるのでしょうか…?


 追記、経済状況が良くない時はえてして労働問題などに力を入れられない傾向がありますよね。個人の生活状況を改善していこうというよりも、全体の安定・成長を優先すべき!という視点がクローズアップされる傾向がある気がします。本来高度経済成長期のような安定期に、このような労働問題の対策は進められるべきだったかと思います。そのようなことを当時の野党が何らかの妥協で飲ませられなかったこと、そういうことをやってこれなかったこと。自民党が率先してそのような声を聞き入れようとしてきたことなどが関わっているのでしょうか。いずれにせよここでも野党の負の遺産というものが問われる気がします。野党の負の遺産とどう向き合うのか、建設的な野党という問題とも関わってくるでしょうね。このあたりは。