てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。基本長いので長文が無理な方はお気をつけを

政策の整合性なき野党再編は野合という指摘の無意味さ


■野党が行う政界再編、野合は正しい。ドンドンやるべし

 選挙が終わって当然のごとく自民が勝利。野党がバラバラで受け皿を作れなければ、このまま維新・みんな・民主が別々に戦うようでは自民党が永遠に政権をとるだけ。野党で政界再編を進めないといけない状態になりました。

 そんな中、政策の整合性のないまま新党で集まっても民主党のようになるだけだ。また民主党と同じ過ちを繰り返すに決まってる。また民主党を作ってどうするんだという批判を見ました。


■議会政治は政策で動く政治家があって初めて成立する

 あのねぇ、自民党というのは巨大な組織票で持っている「民主党」なんですよ。官僚言いなりでないと政治を進められないという点では民主党よりタチがはるかに悪い。民主党は小異を呑めずに内ゲバで分裂したなんて非難もありますが、大間違い。本来は民主党のように政策で政治家は動くべきなんです。

 それぞれの政策集団・派閥が、政策で納得できなければ党を分かつのは当たり前。政策本位で政治をしなければ議会政治が成立しない、機能するわけないでしょ?民主党がまとまりがなくてけしからん!じゃなくて、自民党55年体制という本来の目的・機能を終えたのにもかかわらず、それそれの派閥が話しあって自分たちは何を優先するのか決めて、政策に従ってそれぞれの政党に分裂しないことが本来異常なんです。自民党の異常さを見習って、民主党も自民のようになれというのでしょうか?それこそ本末転倒で自民が去ったら民主が来た…ということになるだけでしょう。


自民党は潰れない、一番強い政治組織だから

 自民党が作り上げた選挙基盤は強力で、選挙互助会として機能してしまっている。故に、それに逆らう政策を打ち出せずに何時まで経っても抜本的改革ができない。独立した基盤がない政治家は弱いし脆い。今の政治の脆弱性というのは、この政治家の弱さにあります。政治家個人に独自性・独立性がないのは、票田のいいなりマッシーンと化しているから&政党の支持なしでは当選できないから。

 だから政治家が政策に則って行動するということが出来なくなっている。議会政治からすると考えられない状態になっている(無論支持階層のために政策を決めるというのは当然のことですよ。しかし明らかに政策と支持階層にずれ・矛盾が生じているということです)。


自民党で得をしない多くの国民が投票を放棄している

 無党派は、つまり特定の支持政党がない階層は、こういった特定の支持基盤・階層のための政党を支持してはいけない。反対票を投じないといけない。ところがそういう常識がないから、平気で投票を棄権してしまい、政治が何時まで経ってもグズグズになる(無論、そういう受け皿になりうる政党がなかったというのもありますが)。


自民党が崩壊して初めて日本政治は一段回上のステージに行く

 自民党政治=官僚主導政治=全体主義政治を終わらせるためには自民党を崩壊に追い込まないといけない。政界再編というのは要するに、自民党を分裂させる・自民党を崩壊させるということです。自民党政治がなくなって初めて政界再編がなされたといえるわけです

 単に安保・外交政策や経済価値観で政党が大きく別れた、与野党関係がはっきりしただけを政界再編とはいえません。無論、そういうことをもってして政界再編がなされて、政治構造がわかりやすくなることを指す人もいると思いますが、日本政治の構造上の問題は自民党政治ですから、これをなくすことを以って己は政界再編の成功と考えます。

 だからもちろん自民党が一度分裂して、その政党名がなくなったとしても、今の自民党を支えている組織が名前を代えただけの新政党(新自民党)に再び政権を安定して取らせるようなことになってしまえば、それは何の意味もないということです。「政界再編」のためには自民党にいても当選しない、政権を取れないという状況にしないといけない。


■選挙で大敗した自民党が分裂しなかったわけ

 なぜ民主党政権が3年近くあって、自民党が分裂しなかったか?それは民主党政権が決して長続きしないということがわかっていたからです。衆院任期の4年我慢すれば確実に自分たちに政権が戻ってくるという確信があったからです。事実そうなりました。民主党に官僚政治を打破する、新しい政治制度を構築するノウハウがあったら、うまく政権与党をこなしていける手腕があればそうは行かなかったですけど、当然そんなものはないと知っていたからです。そんなものがあれば自民党の俺達がとっくにやってるよってところです。せいぜい事業仕分けのような目先の人気取り・PRで終わることを知っていた。

 そしてもう一つ重要なポイントは、強固な支持組織なき(というか自民党ほどではないというか)民主党が次の衆院選無党派が同じように投票し続けてくれるとは思えないから。まして維新のようなもう一つ無党派が食いつきやすそうな目玉政党が出てくれば尚更です。

 より正確に言うと無党派が投票し続けてくれるほどの成果を出し続けるなんてありえない。必ず見放される、もしくは民主党への情熱が続かない。ブームのようなもんなんでそれは必ず冷める。二回も三回も10年単位で支持し続ける(投票し続ける)なんてありえないと見抜いていたからですね。

 もしありうるとしたら、民主党分裂→再編→民主党AとBに割れたとして
、そのどっちかがみんなの党か維新とくっついて自民党とどちらが勝つかわからない形になって自民党が負けること。もう一つ民主党の後に政権を担える巨大政党が誕生することでした。ご存知の通り、民主党分裂後どことも連携・連合、再編の欠片もなく自民党がほくそ笑んだわけですね。

 今の再編事情を見て分かる通り、民主党から本来離党してしかるべき政治家がそうしない、またはその一つ前の選挙で自民が必ず負けると思われていた衆院選で自民離党組は僅か、実際に大敗してもその後離党・新党が少ないように、巨大政党の組織票は政治家にとって非常に大きい。無党派頼みよりも10年・20年長いスパンにわたって将来が保証される組織に政治家は引きずられやすいのです。それを振りきって新党!という政治家は殆どいません(故にみんなの渡辺さんなど評価するに値するわけですね)。


■低投票率自民党政治を支えるシステム、低投票率は政治を腐らす

 せめて無党派が選挙に行って70%は当たり前に行く投票率にならないと政治家は組織票だよりという傾向を改めないでしょう。政治を腐らせているのは間違いなくこの投票率です。怖くて無党派頼みの政策本位の政治なんて出来ないですもん。そりゃそうなりますよ。


■野党は自民党政治を終わらせなくてはいけない。「野合」せよ!

 というわけで、民主・みんな・維新は「野合」をしなくてはいけない。まあちょうどいいんで新党野合にしましょう。自民か野合か?どちらを選ぶか?という状態にしない限り、この自民党政治は永久に変わらない。ならば野合をするに決まっている。野合して、自民党を潰して、そこからまた政策ごとに分裂する。割れた自民党の議員をそれぞれの政策によって吸収すること。組織頼みの政党ではなく、政治家・政策が先にあって議会政治のルールを守る政治組織に再編し直さなくてはならない。

 新党野合は政策の異なるAとBの寄り合い所帯でいい、AとBが自民を割るまではこの政党を壊さないということをしっかりルール化することがポイント。

 今の感じだと、大野党連合ができるか、それとも野党AとB=保守とリベラルに再編されるかわかりませんが、いずれにせよこの原則を確認しておくことですね。


自民党を崩壊させるために

 野党は自民党を崩壊させなくてはならない。そのために何をすべきか?いくつか成し遂げなくてはいけない手順・要点を上げておきます。順不同

 ①言論の自由の確保言論の自由、政治がどう動いているかきちんと報じられない限り、低投票率は続きますし、政治の停滞は変わりません。そのためには憲法を改正して言論の自由をかなり若い条文に書き直しましょう。そして憲法違反で今の報道寡占を打破しないといけません。

 ②違法・違憲選挙状態の解消参院選一票の格差が五倍近いように、民主主義の原則からかけ離れています。あんな選挙制度なら田舎に基盤がある自民が勝つに決まっている。自民優位の前提を消しておくことで自民にいたほうがいいと思わなくさせておくこと。
 ※一人一票が民主主義の原則の基本ですが、都会と地方の格差のためにそれくらい許容すべきという珍論をたまに見かけます。では、ず~っと一票の格差がありましたが、それによって議員を地方からより多く輩出しましたが、それによって地方の問題・疲弊は解消されましたか?バカも休み休み言いなさい。それで何かが解消されるなんてことは永遠にありません。

 ③公明党という「自民党最大派閥」を追い込むこと自民党を割るために重要なのは、自民党の右臂である公明党を叩くことです。これなくして自民党システムの崩壊はありません。以前にも書きましたが、公明党を味方にすることが出来ればベスト。それにもやはり政治上の問題がありうるので、出来れば中立にしておくこと。最低最悪公明党という政党を自民から引き離して中立にする。これが絶対条件です。
 今や公明党自民党最大派閥と言っていいほどの組織力を誇っています。これを自民党システムから引き剥がさずして選挙で自民に勝ち続けることはまずできません。「野合」は公明党対策をトップできっちり話しあって自民から引き剥がすことを絶対にやること。
 AとBで自分たちのどちらかと同盟するのは許容範囲内、自民と同盟を維持するのならばその組織を徹底的に弾圧する。宗教問題でもなんでもいいから取り上げて圧力をかけるべきでしょう。
 当然、飴と鞭で鞭だけではダメ。自民を滅ぼす代わりに今後宗教課税を実施するが、創価だけは二十年は免税するとかそういうエサを与える。自民を潰すまでは公明関係に予算をつけて飼いならすことはやむをえないでしょう。

 ④法匪国家の前提である歪んだ法システムの見直し―日本の法・立法は一部の法専門家、テクノクラートでない限りそれにタッチできないという形になっているので、法制度を根本的に改める。ナポレオンが民法を作ったことを自分の最大の仕事といったように、わかりやすい&より多くの人が使える法に改めること。政治家が国会において自由に立法出来るように根本的に法制度を変える。憲法にそう書き直すことですね。そうしないと何時まで経っても官僚政治から抜けられませんからね。過去の法全てチェックしてそれに抵触しないように法案を書かないと法律が作れないなんてバカなことやってたら何時まで経っても民主主義国家にはなれません。

 必ずしもすべてが自民党に不利ってわけではないですけどね、④なんか別に自民でもやれないことはないですし。まあいずれにせよ自民に民主主義の原則に則った政治をやる気はさらさらないということだけはよくわかりますが。こんなところかな?なにか忘れていたかも、思い出したらまた書きます。

 ※忘れてた。⑤自由選挙―戸別訪問などのように自由に選挙運動が出来る事。供託金や選挙期間が~までとか自由な選挙運動を制限しないことですね。政治と国民を分断するような今のシステムはどう考えても異常ですからね。選挙カーとか本当意味分かんないですからね。人は人である限り公共の害にならなければ、自由に選挙運動を行っていいに決まっていますからね。これで声なき声、サイレント・マジョリティを上手く組織化して国民の声が政治にきちんと反映されるようなシステムを作らない限り、自民党政治の崩壊はありえませんからね。