てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。基本長いので長文が無理な方はお気をつけを

中田考氏の評価と会見の話

中田さんは最近(といっても1月ごろ)の週刊ポストだったかの記事で、イスラム的価値観を理解して、近代の価値観で生きる我々との違いを認識すべし。その上でイスラム的価値観を正しい方向に導いてやるべき!的な事を言ってたから、ISIS寄りサイドの人ではなく異文化理解者と捉え直していたのだけど、やっぱり違うのかしら?

 イスラム素敵やん!その最も優れた担い手であるカリフ国建国は素晴らしい!みたいな初期のイメージがあって、それはてっきりツイの断片で、まず相手のロジックを理解しようという話が誤解されて叩かれていた。実はまっとうな人だったのかと最近思い直していたが、やっぱイスラムマンセー論者なのか?

 内藤先生のツイ見て、中田氏はただ相手サイドの論理(相手がどういう前提から主義主張を組み立てているのか)を伝えていただけと評価してたんですけどね。逮捕以後の世論見て(ISISの失敗が分かって)、「私はカリフ国は支持したが、逸脱したISISは支持していない」と論理をサッと組み替えたということですかね?だとしたら見事な変わり身ですなぁ。

 これは別に中田さんの手のひら返しを皮肉ってるわけではなくて、「君子豹変」の正しい使い方の意味ですね。状況・世論に応じて、受け入れられる言論、行動に組み替える。自分の主義主張よりも、世間の流れ・方向性を素早く読み取って、ここまでなら受け入れられる。こういう主張に変えたほうが優位にゲームを進められる。ーと戦略を考えて行動できる人は少ないですからね。即座に対応したのなら大したものということですね。


 イスラム国に自国の民間人が捕まった場合、国際社会では原則交渉しないことに帰順ができているわけだけども、守っているのは英米露のみ。米英露の場合は、軍事的な手段で取り返すという覚悟も能力も一応ある。しかしそうでない国は建前で交渉はしない!と言い張って、こっそり交渉するというのが今の流れにある。だから英の外交トップを引き出せる中田さんが交渉にあたったとしても別に国際的な非難が起こるとは思えないんですけどね。

 ただ、今回中田氏は記者クラブで大々的に会見してしまったわけで、これによって「建前」に則って国際合意を守りつつ、こっそりやるというロジックを正面切って潰しちゃったんですよね。これで政府としては「中田先生仲介お願いします」と言えなくなってしまった。逮捕されて、ISISにつながりある怪学者にされた氏の復讐なのかも?

 犯罪者扱いされた復讐として、「ISISと仲介できる人物がいたはずなのに、パイプづくりをサボってあまつさえ危険人物扱いしてみすみすその機会を潰した」と日本政府の無能を世界に発信したかったのかも。それで本当に頭下げて来たら来たで、密約結んで色々政府から自分の要求を通す、譲歩を引き出すとかも考えられますしね。

 これまでにも一応色んなルート探って人質解放を打診してきていた可能性はありますよね。ただそれが中田さんの耳に入らない範囲で行われてるのものなのか?まあ実際はン十年経ってから検証が行われて、初めて一体どういうことになっていたのかという実態が分かるのでしょうけど。

 さっそく機密指定されて、どういう人質解放交渉が行われていたのか、そもそもちゃんとやっていたかどうかすら、しばらくはわからなくなるんでしょうかね?見事な諜報機関持ちの国ならともかく、そうでないし、真相は数十年後なんでしょうか?

 なんとなくある程度の情報公開がされるだけで、結局詳しいことはわからない。優れた学者の少ない材料からの推測止まり、関係者のインタビューからつぎはぎでなんとなくの類推がされておしまいという感じになりそうですんけどね…。