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てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。

日本の難点 (幻冬舎新書)/宮台 真司

過去記事の再掲です。元は10/12に書いたものです。

日本の難点 (幻冬舎新書)/宮台 真司



 一応読んだレヴューを。宮台さんは一定の支持層があるみたいで、これも結構売れているようですね。アマゾンなんか読むとわかるように、好評と不評が相半ば。個人的に読みにくいですね。読みにくいというか、社会学の用語?造語?かわからないのですが、<>「」が多く出てくる。その新語を何回も使うな!というのではなく、それを使うなら使うで、その概念をきっちり説明し、かつその概念で、わかりやすい説明だったり、モデルを提供するなり、そういうものが非常に少なかった。だから読みにくいというか、イラつくことが多かった。

 小室博士の著作を読んでるのか?というような書き方。で章割りが①コミュニケーション②教育③幸福④アメリカ⑤日本論と非常に広い(^ ^;)。広すぎて、それぞれ一冊ずつ本書いた方がいいんじゃないかと思った?テーマが広すぎて無理があるだろうと感じましたね。なんかエッセイストの思いつきまとめ集みたいになっていて個人的には疑問でした。少なくとも新書形式にふさわしい構成とは思えない。本人もあとがきで日本の論点みたいな本は嫌いーと書いているし、止めたほうがよかったのでは? 

 ところどころ、読む価値ある、ん、なるほど、さすが宮台氏。という分析はある。しかし、全体を通じてこの五章により一貫したテーマがあるとはいえない。「バラバラに読んでも、全体を通して読んでもおk」と書いてあるが全然そんなことはなかった。だから問題がバラバラ、断片化されたものとして、(´-ω-`)ウーンとなってしまう。小室博士が腐朽官僚制こそ日本の問題の根源であると喝破したように、そこからスタートすればいいんじゃないかな?としか思えない。何で小室学の継承、そこからの敷衍、では次に何を問題にして、どう解いていけばいいのか―と展開していかないのだろうか?

 ポストモダンとか、作為の契機とか、評価のものさしとか、言いたいことはまぁわかるんだけど、それで問題を語れるんだろうか?社会学の本領は問題発見能力、さらには問題解決である。しかしこれでは問題解決につながっていかないだろう。

 メディア論に面白いものだけが生き残るとは言っても=既存のメディアに報道力がないといっても、マスゴミ的問題の指摘がない。小室博士がテレスクリーン化、魔女狩り化していること。自主規制の問題の大きさ指摘しているのに何故触れていないのだろう? 

 教育は結構良い。いじめはなくせないのではなく、最小限に抑制できる―が本質。ゆとり教育の失敗ではなく、既存の利権構造の延長上に改革をやったから、色んなゆがみが出た結果が今の教育とか。だが、ここでも小室博士の愛国&宗教教育が教育には不可欠という指摘もない。全部自由化すればいいという指摘もない。 教育ではスタンスを事にするということなのかしら?

 幸福の件は?全く賛同できないというか、問題意識が…(´-ω-`)となる。いずれ己は自殺論を書こうと思っているが、稀代の社会学者は全て日本社会の自殺、先進国でありながら年間10万人ぐらい*1死んでいるかもしれないという社会の異常さに注目しなくてはならない。自殺がちょっと多いんじゃない?位の問題意識しかないんではないだろうか?この章は特に用語だらけで勘弁してくれという感想が多いのではないでしょうか?

 重武装・対米中立を唱えるのは良しで、謝罪も戦略上ふさわしいのであれば、むしろどんどんやるべきだとあります(p182)。ここは一部納得できて、言い方が足りない。謝罪を戦略を手段・方法としても考えるべきだといいたいのでしょうけど、誤解を招く可能性が大です。特に保守(笑)はムキーッとなるでしょう。『これでも国家と呼べるのか』で、博士が謝罪がもつ意味をわかっているのか!!!といっており、その説を受けた流れで書かないといけないでしょう。特に歴史認識に対する理解が日本人どころか世界中の世論もその本質をわかっていないでしょうから。謝罪戦略論は慎重性が必要です。まして国内で一致して謝罪戦略を受け入れない状況にあるときにうまく機能するとは思えないんですけどね。一致せずとも大多数が支持すればいいですが、強烈な反発を招くようになった今は負の影響が大きいために合理的な選択肢になり得ないのではないかと思いますね。

 そして英国は二権分立、司法権立法権だけ。そして行政権は圧倒的に立法権に従属している。日本は「官僚内閣制」であるとして、それがある種有効であったという言説をしていて、もちろん理からそう唱えているのでしょうが、今の日本は実質上一権独立=独裁の全体主義国家。こういう問題意識があれば、もっと慎重になるべきなんですが…。本当に小室博士の著作を読んでいるんでしょうか…?

 金融危機とか、後期高齢者とか問題に手を広げすぎて、十分に語れていない。なんか学者出てきて、用語出てきて終わり(-”-;)という感じです。

 あ、どうでもいいことですけど、宮台さん中・高と空手部だったらしいです。中学に空手部なんてあるのか?んで、宇城憲治師範の著書から引用されていました。師範の著書読んでいるなんてちょっとびっくりしました(^ ^;)。だけど、宮台よ字が違ってるぞ!てめぇ、このやろう!賢治じゃねぇし!

*1:以前書きましたが、まあ流石に年間十万人とみなすのは先進国日本においては適切ではないでしょうね。