てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。

<携帯版> 【ロシアと日本】 落合辞任で思ったもう一つのこと

落合辞任で8年間という長期政権という単語を目にして、ああ、そういえば8年もやっていたんだなぁとしみじみ思った。そしてちょうどロシアのメドヴェジェフからプーチンを立候補させるという話があったなぁと重ねてしまった。

【政治の安定=変化なしのロシア=絶望】

 プーチンは8年大統領をやったあと4年首相を挟んで今度また大統領をやる。8年・4年・8年とプーチン時代が再び続く。1999年には首相、2000年から大統領として権力を握り、再び大統領のイズに復活して2018年までロシアのトップとして在り続けるのか?初期のチェチェン紛争や経済混乱を立てなおした実績もあってプーチン人気というのは理解できるが、経済的に行き詰まりつつある今、次の8年果たして持つだろうか?

 まあ持つ持たないというか他に手なんかないのだろうが、日本の政治が行き詰ってコロコロ首相の顔だけが変わるのと同じように他に手がない。どこを見ても、誰を見ても結局官僚とアメリカの犬というだけ。今世界経済がごたついている。こういうときは現物である資源の値が上がるから、成長せずに停滞しても社会に病理が多少はびこっても、ごまかしごまかしやり過ごすのだろう。強力なリーダー・政治機構があるのに社会が健全化されないという現実に直面した時、彼らロシア人がどういった態度を見せるのか興味深い話ではある。

 自分たちで主導して問題を解決していく、自体を打開する手を打ち出せない。そうやって西欧的市場主義・民主主義から、西欧近代社会を脅かす厄介な存在として、見られるのは冷戦時代からこれまでどおり変わらないだろう。いわば『歴史』から敵・悪魔のようなポジションに置かれたまま過ごすのだろう。そして将来のヴィジョンが見えない以上、そこには危機しか見えず、いずれまた何らかのトラブルを引き起こして自滅する。そういった予測しか立たない。

【ヨーロッパの戦略としてのロシア】

 ヨーロッパ側としては世界戦略としてアメリカの巨大な存在がある以上、そしてアメリカがある主無法者としてその醜い姿を暴走させる予兆がある以上、ヨーロッパという政治機構を昇華させる戦略がある。その戦略の一端としてアフリカ・中東へ外交を行なっている。ロシアはそれら周辺よりも一層近い東欧という枠組みで、そのヨーロッパ戦略の核である以上、ロシアはバカだなぁと、のび太くん君は実にバカだななんてどこかのなにエモンのように言って済む話ではないのである。のび太くんを指導し、導くようにヨーロッパはロシアを導かなくてはならないのだが、いかんせんのび太くんというよりはジャイアンなのでどうしようもない。

 ヨーロッパ戦略としてロシアを組み込みたいが今のところそのめどが立つ様子はない。よってどこもあまりロシアに対してはそれほど強行な手には出れない。付かず離れずといったナァナァな外交が今後も続くだろう。

【欧州での打つ手なし→極東へ】

 こういう権力移譲期にロシアが暴れだすのはいつものことだろう。宗谷海峡を軍艦が通行したことなど、尖閣諸島問題時の比ではないのだが、世の中はロシアには興味がないのか、中国に過度に傾斜しているのか無反応に思えた。佐藤さんはロシア側のシグナルを読みといて、しっかりした抗議と日本の北方領土の共同経済活動=エサを示すことを主張していた。

 しかし結局はロシアの中心はモスクワにあって、主眼はヨーロッパにある。一番大きな理由はポーランドへのミサイル配備であろう。彼らからすると喉元に匕首つきつけられたかたちになる。リビアやら、アラブの春やらそこらへんにもロシアが絡んで影響力を強めたいのだろう。パレスチナ独立宣言のイスラエルとの仲介工作などもある。だがロシアからヨーロッパ以上の支援なり交渉の仲介=外交力が生まれるかどうかといえば…。ロシアが影響力を発揮するとしたら人権問題で欧米の非難を買って制裁を食らう時くらい。どこかの北朝鮮のように、そういう国ぐらいしか影響力を発揮できない。

 そして予想どおり北への債務取り消し。そういうことをやって少しでも影響力を確保して東亜に出ようと必死になっている。ロシア必死―である。昔から欧州→中東→中央アジア→極東、こうやって自分たちの生存圏を確保しよう!という時代錯誤な生き方をして外交攻勢を強めようとする。それが実ることなんかないのだが、それでも海外に領土を拡張することを望むらしい。強いロシアというものに惹きつけられるのがロシア人らしい。よく理解出来ないが、それも国内で暴れる外人がいない日本という環境故なのか。いつまでロシア人はこの海外侵出絶対主義という心理を持ち続けるか?インド・中国が成長して大国として成長したあと、なぜ自分たちもああなれないのだ!?と国際社会から影響力を落として、その現実をつきつけられた時が楽しみではある。

 ロシアの強行手段は国内に自由民主党アラスカを取り戻せ!北方領土を取り戻せだとふざけるな核を落としてやれ!なんていう野党が影響力を持つくらいだら、そういう強硬派系の根強い指示がある以上ロシアという国家は常に強行にでなくてはならないのだろう。

【ミサイル配備】

 ミサイル配備が大きなテーマになっている。韓国も北を射程にするミサイルを配備したし、中国が沖縄射程のミサイルを、ロシアは北方領土を射程に入れたミサイル配備計画がある。ロシアの条件としてはここにミサイル配備をしないでやるよ、だから譲歩しろというところか。

 いずれにせよ、日本の外交としては中東・ヨーロッパ・中央アジアに出てパイプを作ってロシアの強攻策に対抗すること。リビア空爆に戦後秩序づくりに参加しない日本の外交については懸念というより絶望を感じる。相手の背後を攻めていかなくては、北方領土問題、シベリア抑留への謝罪要求、そして国交回復など夢のまた夢だろう。そしてギリシア財政危機に日本として金融協力をして、ヨーロッパとの関係を深めない無策ぶりに呆れる。本来なら地震からの復興をいち早く進め、目処が立ったら、ヨーロッパありがとう的な全面広告でも出して恩返し的な形をとって財政危機を支援するものなのだが…。外交どころか内政まで破綻しているからどうしようもない。

 しかしいつになったらまっとうな外交・国防が出来るのか、ミサイル配備くらい真剣に検討すべきだろう。

【変われない日本とロシア】

 さて、なんの話だったか。プーチンの党大会での選出を見て、演出はアメリカの党による民主的な代表選出を真似たのだろうが、それをみてああロシアも少しは民主的に進歩したのだなぁと感じる人間がどれくらいいるだろうか?むしろまだわかってないのかとしか言いようがないのではないか?

 そもそも、ワシントンが2期8年で退いたのは独裁者にならないため。その慣例の意味合いを考えれば、4年間をおいたからまた8年やりますなんてことはありえないし、そんな発想がそもそも出てこないだろう。ワシントンがそれを聞いたら、アメリカは腐った!と憤慨するような話だ。ロシアは腐った元の強権政治に立ち戻ってしまった!と一大騒動にならない所が、ロシアという国の後進性を感じさせる話だ。

 日本でも一時期ロシアのリーダー継続性ゆえに政治が安定することに対しての、安定性を賞賛する声が目についた。日本の政治のコロコロ総理、不安定性ゆえ、隣の芝生のあおさが眩しく映ったというだけなのだが、比較してみると安定と不安定という違いはあるものの。両者は大して代わりがない。

 未だに中世のような近代化されない(民主主義・市場経済を理解しない)強権国家であるロシアと、形の上で民主主義・西側世界を装っている日本。日本の賞賛は過去の経済成長といった昔話だけで、結局は未だにアメリカの占領時代から属国体制を引きずり続けている。日本への賞賛など結局欧米の自己社会の批判材料に過ぎなかったわけだ。政権交代で鳩山というリーダーを見れば分るように属国体制に変化が!という日本政治史に久々に注目すべき時期があったが、やっぱりあっさり失敗した。ロシア同様日本も変われない、どうしようもない国なんだなと再認識しただけである。

 結局一人のおっさんがずっと居続けるか、定期的にコロコロ変わるかだけの違いしかない。一方は独裁か、一方は属国かそれが違うだけ。ロシア人はヨーロッパの人間とどこか違う居心地の悪さを感じるというように、そのような感じの悪さは日本にもあるだろう。せめて良心の自由・内面の自由という近代人の常識くらい何とかして欲しいものだ。

【ロシア政治の安定は支配者階級・身分制度の安定ゆえ】

 ロシアの方は1999年から権力の中枢にプーチンが居続けて、30年近く権力の中心にあるという話なのだから、これは共産党時代よりひどいだろう。それを可能にしているのは党の支配、エリート層が社会で再構成されて安定したからだろう。シロヴィキやサンクト派。軍・警察といった巨大な官僚機構に地縁、日本以外の国ならすんなり理解される話だ。日本は軍・警察が中東などのように何故か強力な影響力を持たない。まあ警察は利権に溺れて腐っているとは思うけど、それは別の話。

 一時共産党が崩壊し市場経済に移行してオルガリヒという新興財閥・成金が出たことから分るように、経済の初期にはブーム・バブルが起こる。それをオルガリヒが頂いた。そしてその興隆期の果実をやっぱり政治権力が支配する形に戻った。つかの間の自由経済だっただけ。まあルールがないからやりたい放題で自業自得の要素が強いのだが。結局またノーメンクラツーラのような特権階級・身分制度国家に戻ったわけだ。日本のノーメンクラツーラ構造が全く変化しないよりかはましなのかもしれない。チェルノブイリ以後体制が動揺したように、フクシマ以後日本のノーメンクラツーラ構造も崩壊すると淡い希望を抱いているが、果たして…。

 プーチンが彼らを叩いて政治権力に従属化させ、自己の政治体制に吸収したように、そこらへんの経済構造・社会構造の再編・支配は田中角栄時代のあらゆる利権を結びつけて自民党政治力に還元したそれに似ている。近代資本主義の萌芽は独占・寡占に始まる。次なるステップアップ、その打開に両方共至ることは決して無いのであろう。長い歴史で見ればやはり歴史の教訓・学問を活かすことのないダメ国家にすぎないのだろう。

 ※暴走族と一緒に走るプーチンとか、水泳に勤しむプーチンとか、熊を狩る勇敢なプーチンとか、もはやメタキャラに過ぎないと思う。そんな姿を見てプーチン頼もしいと思うのだろうか?そういうPR戦略が受けるのか?ロシア人の感性は到底理解出来ない。