てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。

【コードギアス解説・考察】C.Cの願い=愛されることについて

以前こういう話を書きました↓

 CCとルルーシュの関係性は最終的に二人で永遠の時を歩むという形にならないと収まらない。最近のヒロインはツンデレがデフォなので、CCが初期にルルに精神攻撃して嫌がらせするのは大して気に留めていなかったんですが、ルルとCCは話が進むに連れその距離を縮めていく、二人の絆は徐々に深まっていくわけですね。

 ルルがナリタでスザクから命を救われてお礼を言った時、またCCの本名を知ってその名を呼んだ時に始まり、次はマオの時。マオが現れて一度、CCは契約を破棄。ルルのそばから離れ、危機に陥ったときにルルがCCの身を救い「俺はギアスの力に負けたりなんかしない」と約束をして、ルルから新たに契約を持ちかけた時。これで二人の関係性は誰の目から見ても深いものになりました。ギアスが暴走してユフィにギアスを掛けてしまい、偽りの英雄という罪を背負った時、CCは「私だけはお前の傍を離れないずっと一緒にいる」とルルを抱きしめ、二人の絆は特別なものにまで昇華しました。

 一期のラストではルルーシュのためにジェレミアと心中し、二期の初めではCCは本来の目的を捨ててまでルルーシュに拘ってルルーシュを救いました。自分の目的のためなら別にほっといて次に乗り換えればいいだけですからね。

 一時CCは契約の内容は「死ぬこと」だと明かしてシャルルにコードを渡して死ぬつもりだったのを放棄しました。その時のルルーシュのセリフは「最後くらい笑って死ね」。そしてそれを聞いたCCがシャルルにコードを渡すことを放棄して二人の契約は「ルルーシュがコードをCCから奪ってCCが死にたいという願いを叶えること」から、ルルーシュが契約を持ちかけたということから考えてもわかるように、また世界のすべての人が笑って明日を迎えることが出来るようにというルルの願いから考えてもわかるように、「CCが笑って生きる事ができるように」と契約内容が更新されたと考えるのが自然でしょう。

 何の変化もない、単に同じことを繰り返すことを生きているとは言わない―だからCCは「死にたい」という願いになったわけですね。それをルルーシュがRRになることによって、二人で不老不死という永遠の時間を歩むことによって、「何の変化もない、単に同じことを繰り返すこと」という根本条件が変わる。それによって、CCの契約が「死にたい」ではなく「笑って生きる」というものに高められ、全うされた。このようにラストはなっているというのがオチとして見事になるわけです。これ以外オチのクオリティの高さはないので、まずこれに間違いないでしょう。

 最後の最後で「CCがギアスを与えたことを恨んでないのか?私のせいでお前の運命は大きく変わってしまった」と問いかける。ルルーシュは幾つもの辛い思いをしながらも歩んできた現実に後悔などせず、「お前がいたからここまでこれたんだ、ありがとう」とお礼をいう。「お前のような奴は初めてだよ」とCCが答えたシーンでわかるように、また次回で解説するように二人がお互いのことを忘れても、もう片方が記憶をなくした相手を求めて再び巡りあったように、二人の関係性は物語の中核をなす特別なものになったのですから。その関係性を締めくくるラストはそうなると見るのが自然でしょう。

 あと、「お前が魔女だというのなら、俺が魔王になればいいだけだ」とルルーシュは言ってますし、コードを継承して不老不死となって「魔王」となったCCと肩を並べたという形でこの伏線を回収したと考えられますしね

 そしてラストのCCのセリフ、「ギアスという王の力はお前を孤独にする。少しだけ違っていたか、なぁルルーシュ」―を考えても③になることがわかりますね。最初の契約でギアス能力者となると人とは違った理で生きることになる云々かんぬんというCCの事前説明と何が少しだけ違うことになったのでしょうか?

 それは不老不死となってルルーシュは人とは違う理の中で生きるという、CCの言葉通りになったけども、「ギアスという王の力はお前を孤独にする」といったことだけは外れたわけです。CCとルルーシュ、二人で生きていくわけですから、二人共孤独という運命からだけは逃れられたわけです。

 んで、ラストの鶴は願い事の象徴として度々出てきましたから、最後のセリフと折り鶴=願いということを考えると、世界の願いとCCの願いは二つとも同時に叶えられたと読み取るべきでしょうね。

 からくりサーカス なんかもそうでしたし、「呪われた身でも、その人生・運命を破壊ではなく、愛することに使うことが出来るのなら…。もしそうだとしたらこの呪われた運命も意味のあることなのかもしれない」とファティマが言ってたように、ラストで不死の二人が同じ時を歩むというオチは共通したものと言っていいでしょう(からくりサーカスも面白いのでぜひ読むように)。

 ―とまあ、こんな感じのことを書いたわけですが、小説を読んでいてわかったことがあったのでその話を。

 ギアスはその人が思う願いが能力となって反映されるものということが明らかになったのでCCの本当の願いは「愛されること」だということがハッキリしました。CCの過去には死にそうだったCCをシスターが助けるシーンが有ります。貧しかったCCは死にたくないんですとシスターに助けを求めギアスを手に入れ、愛されるギアスという能力で人々から愛されて生きることが出来るようになりました。何不自由はなくなった代わりに、無差別に他人から愛される事になったため、人と本当の、真の関係性を築けなくなったという結果になりました。

 丁度大金持ちや王様みたいな高い身分の人が無条件に好意を与えられるように、ゼロベースで一から友好関係を築くということが不可能になってしまったわけです。だからCCは生きていて虚しくなってしまう。

 全ては偽りの人間関係、ずるをして築いた関係性。人との本当の繋がりを築けないということは本当に生きているとはいえないわけですね。努力したり、トラブルを乗り越えた上でだったり、話し合って分かり合った上だったり、そういった結果出来た友情・愛情あるいは仕事を通して築く信頼関係のようなものではありませんから、ある種ゲームでもやってるような感じになってしまいました。こちらが何もしていないのに一方的な好意が与えられてしまうのですから、それは通常の人間が築く関係性ではありえませんから、CCは生きているという実感を感じられなくなってしまったわけです。

 その中で唯一残ったのがギアスにかからないシスター。彼女だけは唯一本当の分かり合える人だったわけです。だからCCも彼女の言うことを素直に従っていたわけですね。しかし蜘蛛の糸のようなたった一つの拙い関係性はシスターの裏切りによって終わります。シスターによって惨殺の目に会い、コードを強制的に受け継いでCCは彼女の目的のために利用されていただけだった。これまでの関係性、友情あるいは師弟愛?なんと表現するのが適切かわかりませんが、それは偽りの絆であったわけですから、CCは本当に世界でひとりきりになってしまったのですね。

 その後のCCの人生を見るとコードを引き継いでくれる人間を探して、ギアスを授けて最終的にコードを継承させたら自分は死ぬ―そういう目的、死ぬことが目的で動いているように思えますが、ルルーシュが「俺を哀れんだのか!CC!」と言っていたように本当に死ぬことが目的ならシスターのように騙せばいいだけです。何故そうしなかったのでしょうか?

 それはルルーシュが―「俺は本当のお前の願いを知っているぞ!最後くらい笑って死ね!必ず俺が笑わせてやる!だから俺と…」と言っているように、CCの本当の願いとは信頼出来る人間と人間としての関係性を築いて人として生きることだったわけです。「だから俺と…」の後には、「一緒に生きよう」また「一緒に人として生きていこう」そういった台詞が続くのでしょう。

 小説にあるようにCCはギアスを授けた契約者を騙そうとは考えずに、自分が与えた「呪い」という運命に憎んで欲しかった・恨んで欲しかったんですね。正確には憎むなら憎んで欲しい、恨まれて殺されるような目にあうならそれでいいという感じですが。ルルーシュのような公人、政治家ならば目的を達成するために不老不死のコードを必要とするということがありえます。ルルーシュのような人物が世界を変えるために、シャルルに勝つためにコードを必要とするような事態が来る。そういう人が望んで自分からコードを奪ってくれるような幸運が訪れるならばそれがベストと思っていたのですね。

 しかしCCですら明確に意識していなかったのですが、CCは本当は関係性を築きたかった。人として当たり前に生きて人として当たり前に死にたかったわけです。何故意識していなかったといえば、そんなものが自分に訪れるはずないとブレーキをかけていたからでしょう。そんなことをしてくれる、叶えてくれる人も、そんな都合のいい状況も訪れるわけがないと思っていたからです。だからルルーシュがCCが無意識のうちに望んでいた願いを、心の奥底で望んでいた本当の願いを「俺が叶えてやる!」といった時に自分でもわからないうちに行動をして、シャルルからコードを渡すのをやめたわけです。

 で、小説にのみ描写されていたシーンですが、皇帝となってナナリーと皇族ラインで対面してショックを受けて「もう後戻りはできない」とCCと話すシーンの間に次のようなやりとりがありました(R2 TURN―4ですね)。

 「ルルーシュ、雪が白いのは自分の色を忘れてしまったからだと言ったな、今のお前の色は何色なんだ?」

 「さあな?お前はどうなんだCC」

 「今の私の色は、お前の色だ」

 ―アッー!!って、「アッー!!」ちゃうわ(^ ^;)。いままであれだけそっけない謎の美少女CCは今やルルーシュに「私はお前色で染まってしまったよ」と告げるデレデレぶり。なんか古典の授業で有りそうな告白の仕方ですが、これは惚れてますねぇ…。という良いシーン。こんないいシーンをまた、なんでカットしたのかねぇ…。関係ないですけど、ナレでCC自身で謎の美少女CCと自分で言うのはどうなんだろ?自分でそれ言うなよ…といつも引っかかってました(笑)。

 CCはここにおいて初めて「本当の愛」というものを知るわけですね。だからこそカレンとの戦いで「私に負けて悔しいという感情がまだあったなんてな…」とつぶやく訳ですね。愛する人のために戦って勝ちたい!それが出来なくて悔しい!!というまことにCCちゃんマジ乙女!な心の叫びを見せてくれたわけです。

 そういった諸々のCCの心情を知ると、最後にCCが「ルルーシュお前は人々にギアスを掛けた代償として、自分自身を…」とルルーシュの献身・自己犠牲の精神に涙を流したように思えますが、もうひとつまた別の感情としてようやく手に入れた愛する人、築いた関係性が失われることへの涙とも言えますね。

 といったわけで、CCの本当の願い/ルルーシュとの契約内容の解説でした。さて次にはシャーリーの死の謎、Re;の解説ができるといいなぁ…。