てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。基本長いので長文が無理な方はお気をつけを

書評― The Rise of China

The Rise of China (International Security Readers)/著者不明

 あ~あ、最近洋書も英字も古典も全然読んでいないな。後漢の歴史系ばっかであきてきた。あきてはないけども、こういったものも読みたいな。全然他が読み終わらないから無理だ(´Д⊂。これ一ヶ月近く前に終わっていたが、公開するのずっと忘れてました。んで、公開を。例によって、適当読みです。途中までしか読んでいません。あんまり興味もてないところは読んでも仕方なかったので。というか論集なんで筆者の能力に差があるかと。
 やっぱしっかり学者の論文読まないとね。論文量が学者の能力ですからね。まあその論文のロジックをしっかり読み取れていなければ、何の意味もありませんが。そういう人教授でもザラにいますからね。いや、だからそういうことを言ってるんじゃないんだって、言っていることロジックを理解していないでしょ?何のためにそれ研究しているの?そもそも何の意味があるのそれ?っていう人いっぱいいますから。まあ、巷間に売れている書が学術書がないことを見ても良くわかることですかね。
 
んで、内容に。例によって拙感想太字、強調色字は重要なところ。
 ①中国の経済力・軍事力=能力はどれくらいなのか?
 ②中国の台頭は国際的な枠組みにどういう影響を与えるか?安定か破壊か?
 ③中国の意図、中国は平和的台頭か、それとも力に訴えるか、どちらを選択するか?
 ④アメリカなど周辺諸国は中国の台頭にどういう態度をとればいいのか?
と、まぁごく当たり前な問題設定が設けられています。ここまでは基本ですね。
 
 Avery Goldsteinは政経軍の観点からみて、中国は多くの人が言っているようには大きくならないし、脅威を与えるようなものにはならないと考える。経済は急激に成長したけれども、軍はそれに見合ったものではない。現代的兵器は装備されていないし、全然効率化されていない
 台湾やASEANは中国に及ばなくとも、中国が東アジアに進出する際に、それ相応のコスト、ダメージを与える。これだけでも中国は脅威になりえない。日・米に追いつかなくてはならない。ただ、北京の軍事現代化はアメリカの東アジアでの政策追及をゼロコストにさせない危険性がある。
 中国を危険視するには5つの観点があるとする。①昔からの地域大国の歴史、冷戦時にも一つのキープレーヤーとして機能したこと。②急激な経済成長の驚嘆。③その成長を軍事的なパワーに転換しようという現代化の戦略。④IMFGDP算出方法、PPP指標の導入(この視点だと米や日に匹敵する)。⑤95、96時の台湾との対岸危機。よってアメリカにとってのソ連になりうるのではないのかという関心が浮かんだ。
 中国は米の一極支配に対抗する。WTO入りは米の経済圧力への対抗。軍事でも同様の意図がある。冷戦終了後アメリカに対抗する存在がないため、軍事的保障がほしい。冷戦後パワーテストする機会がない。戦争をする前に正確に軍事能力をテストしなくてはならない。台湾では、その軍事能力をテストしようという意図が見出せる。ただし今回はその軍備の脆弱性も明らかとなった。パワーテストは大失敗というわけだ
 彼は中国の台頭を図る上で、五つの理論を持ち出している。①国家力変動理論(?ちょっとこの①は知らないロジックなのでわからない。おそらく国際間に常識である力関係の変化を説明する一形態だと思うが)、②レジーム理論、③国際機構論、④経済相互依存論、⑤核戦略。パワーをみる上では衝突をするし、経済の依存を見ればそうではない。理論的には矛盾する結論。つまり、断言できる結果はない。しかし彼は中国の軍事力の弱さから軍事的衝突はないと結論付ける。最悪のケースでも、冷戦になるくらいであろうと。
 
 Erica Strecker DownsとPhillip Saundersは90年と96年の尖閣をめぐる議論から、中国は抑制され、ナショナリスト的な政策より経済成長を選ぶと考えている。共産主義イデオロギーが無意味になったため、ナショナリズムと経済成長で正当性Legitimacyを保とうとしているとみている。ナショナリズムが行き過ぎれば国際マーケットへのアクセスを阻害し、経済成長が損なわれる。よってCCP(=中国共産党の略ね)は慎重にナショナリズムを扱う。
 戦後中国が領有権を主張した尖閣は日本に1972年に返還された。しかしアメリカは管理権を返還した、つまり領土問題、主権には中立の立場、関与せずというスタンスをとっている。
 90海保が灯台を建設しようとしたときには、中国はこの反日デモを取り締まった。つまり天安門のときの制裁があり、いち早く経済関係を復活してくれた日本に配慮したのだ(裏を返せば中国は国際的な問題が起これば、対日関係に強硬に出ることは不可能だということ。まあこんなこというまでもなく、誰だって二正面作戦なんて採りませんからね、一応書いておきました)。そして96年の右派による二度目の灯台建設と国旗を掲げることは中国の抗議はあっても、貿易・日中関係を麻痺させるような行動には出ず、反日デモも抑制した。
 中国は経済成長を傷つけることと、日米の反中封じ込め政策が採られなければ、経済成長を傷つけない程度にナショナリズム政策に訴える。しかし結局一つの関心事レベルの話であって、警告レベルの問題にまで引き上げて取り扱うものではない(ナショナリズム非重要要素と見る論者ですね、このロジックを否定するつもりはなく、むしろ納得・肯定した上で己はナショナリズムを重視しなくてはならないと見ますが)。
 
 先進国・大国になったとするひとつの指標として、先進兵器の配備がある。John Wilson LewisとXue Litaiは過去の中国の空軍政策の失敗を説き、将来の政策を予想する。いろんな時期に、いろんな理由で失敗をしている。その教訓はあっても、中国は先進空軍を配備するに至らないだろう。朝鮮戦争での例から、ソ連式の空軍計画を立てたが、計画のまずさ、資源のなさなどがあって失敗した。何より当時の最優先は核であったからだ。文革の混乱で十分なパイロットの訓練が出来なかった。
 鄧小平以後本格的な改革に着手されるが、うまくいっていない。半分も空軍・ミサイル・radarは統合された働きをしない(現代戦争で重要なのは個々の軍備よりその統合ですからね。いかに統合・統率されて効率的に各軍が動くかですから)。湾岸戦争以後、空軍力増強に力をいれ、将来のハイテク戦争や台湾との戦争で重要な働きをすると考えているから、なんとしてでも達成させたがっているが、それが達成されるかどうかはかなり疑問だ。
 
 David ShambaughはAmbivalent Securityつまり矛盾した安全保障観を持っているとして、これを一つの概念として、現在軍が世界をどのように捉えているかを見ている。これまで長期の平和があっても、軍は脅威を認識している。特にアメリカの覇権に。
 経済成長とそれに伴う軍の現代化で安全性は増していく。ロシアとの関係は50年代以来良好なものとなっている。にもかかわらず、北への影響力の低下、インドの核保有、台湾との政治的緊張さらにはアメリカと脅威を感じている。
 コソボでの現代兵器の正確性はPLA(人民解放軍の略ね)を恐れさせ、もし使用されれば、ひとたまりもない。ユーゴがそうだったようにある程度は兵器を隠して保つことが出来る。しかしそれは中国の台湾への攻撃も同じことになってしまう。
 アメリカが台湾との統一を妨げる限り、アメリカを脅威とみなす。アメリカは覇権的で拡大主義である=アメリカは再統合の邪魔をする。日米安保や台湾関係法などを対中同盟と見る。
 日本と軍国主義への不信。TMDに反対だし、NK(North Korea)が崩壊するとは思わず、北にかける圧力に反発。中露は友好だが、未だに一部警戒がある。ARF(東アジア安保フォーラム)は集団安保の促進にはならない。しかし潜在的な対米覇権に対抗するものとして、日米同盟に対抗するもの、その二つを崩壊させうるものになる将来性があるかもしれないとみている。Conventional force wisdomが足りない(ゲリラとか専用の特殊部隊以外の普通の軍隊のことね)、PLAは南アジアに注意を払っていないが、98核実験以来インドに関心大になっている。
 中国は不安定・脅威を前提に動く。(つまり日本やEUといった先進国とは違って安保を第一に考えて行動しているという大きな特徴がある。これを認識しておかないと対中外交は理解できない。そしてこれを極端化して先鋭化したのが北であると蛇足しておく。)中国の根本的認識の誤りを説かなくてはならない。中国の根強い対米不信競争的共存が最も現実的な米中の到達する所である。これが、David Shambaughの出した結論。
 
 Thomas Christensenは中日セキュリティジレンマを主張する。台があるゆえ、どんな日本の変化でさえも中の反発と不安定につながると考える。
 失敗と謝罪外交が若い世代の反中、ナショナリズムをあおる。深刻な対日不信・軍事的懸念。クリスは日米が日の封じ込めに貢献していると考える。消えれば日本は強大な力を持つ。同盟強化で負担増でも、中国は日本におびえなくてはならない。特に台湾に対する動き、他にはPKOTMDは日本の強化になると反対する。
 台の防衛兵器は独立の準備とみなす。
 TMDは台へのミサイル能力を低下させるため反対するし、日本のマインスイープ能力も作戦遂行を妨げるので脅威と見る。
 クリスは日中セキュリティジレンマは消えないとみる。対中増強のためという日本の懸念、軍備強化を中国が決して認めないから。中の論者は(中国の支配的な考え方は)中国が強化されることで日本がaccommodateすると考えている。当然そんなことはありえない。ただARFなどへの関心は日中セキュリティジレンマの回避の一要素とも見ている。
 クリスは日中セキュリティジレンマになるから、ロジェスティック・基地・マインスイープに専念させろと考える。注そこに対日分析はない。米が十分な力を持ち日本に頼るな!と。んで台を日米から排除すべきではないとする。日本の動向をまったく視野にいれずに、米中だけで考えるその姿勢には日本の学者すべてが大々的に非難を浴びせてしかるべきものだろう。もちろん今回のケースでは単に中米だけを論じているものであるということを考慮に入れなくてはならないが。しかし、日本の主張や利害など大して重視するものではないのはむしろアメリカの戦略・国際関係に携わる学者の主流だろう。もっと端的にいえば確実になめられていますね、日本は
 新世代は交流が増加し、必然的に日中関係は改善する。※現実を知らなすぎる。もちろん友好は深まるが同時に対立も深まる、といった要素も同時に注意しなくてはならない。信頼醸成と透明性、疑惑低下。お決まりのパターンですね。中を挑発することなき日米同盟というのが結論です。
 
 Robert RossはG2、米中のgeographyが平和を作るという。米は東亜でa regional powerである。海陸で分け合う。露は西に偏り、日はサイズと資源上無理(サイズと資源だけで日が対抗できないと見るのはすでに時代遅れだと思うが、まあ詳しく読んでないし、読む気もないからなんともいえないのだけど、というか中がどこまで発展すると見ているのか?米に及ぶまでいく、とでも思っているのか?※ブロリーではない)。
 中国はrisingではない。a already great powerである。海洋挑戦のみ。destabilizeから→prerequisites for strategic autonomyに。不安定を作り出して、そこに中国の自立戦略を達成しようと考えています。中国は太平洋からはなれているから、影響力は少ない。米ソに似た米中二極。安定した二極であり、ソが東欧を攻撃したような状況にはならない。地勢上、米は島国に基地・同盟あって干渉しない。シーレーンを守るだけだから対立しようがない。中の脅威は陸で、海は英しかない。※なんで英?台湾が国家戦略の生命線と考えているのに?かなり疑問がある見方。US navels supremacy(米の海洋支配)に挑戦するとは考えにくい。
 中米のセキュリティジレンマはかなりmildで相互不信にならず。これが結論。ただしそう導けたらの話だが。というかそもそも米ソのような陣取りゲーム、オセロゲームのように国家やら地方勢力やらを軍事的に争い・奪いあったりしないですから。奪い合う陣地・国がない以上、軍事衝突に発生する余地がないですからね。あるとしたら、その国家の主義・主張が、つまり理念や政体がアメリカよりか、中国よりかの競争をするまででしょう。言う事はまあまあ理解できるんですが、そこまで有効な視点とは思えません。というか、こんなこと別に考えなくてもわかるしね
 中国には三つのfrashpointsがある。スプラトリー、朝鮮半島、台湾。半島は統一により米軍撤退。台は中米双方とも脅威であるが、死活的でないためうまくやれる?
 David Shambaughtコンテインメントとエンゲイジメントの話。不完全だがengage、まあ誰でもそういいますよね。
 対外協調がとりにくい環境。鄧小平死後、カリスマがいない。権威不足の指導者になっている。経済などロビーが人民大会で反映されない。指導者層がまだ古い。欧的エリートで占められていない世代に問題がある。これには仏教などの出家ブームが必要だと思う。出家は社会学的に見て、世代交代を有効に進める社会の潤滑油ですから。ナショがあいまって傲慢でそこに問題が出る。しかし結局engageしかない。最後もコンテインメントかエンゲイジメントかといった、古い話。
 
 p10、90'Sの軍事予算増はインフレを考慮に入れて年4%ほどに過ぎない。Weapon procurement(軍拡、新軍備)も、オペレーションとメンテナンスでしかない。中国をdemonizeするな!Pocekts of excellence(面白い言葉です経済成長と露などの不調があっていい兵器を購入できるということを意味します)、AWACS&空中再給油こそ重要。
 p14、中国のAWACSイスラエル製。p15、PLAN=海軍は一応戦える軍隊。統合不十分、中国の領海侵犯は必死のデータ集め、テストと見ることが出来る=つまり弱さの裏返しである!!!(これ、非常に重要な視点です。中国が攻めてくる!危険が危ない!といわれる要素で大きいのは中国海軍の領海侵犯がありますが、むしろこれは弱さの裏付けと見ていいでしょう。戦前の日本のような海軍力は難しいでしょうし、まあ日米に対抗するというのは竜車と蟷螂ぐらいの差があるでしょうね)
 p21、過去の歴史、周辺国から見て注目すべき点はあるが、実行力からみると重要な要素は少ない。
 p27、essentially survivalist state(本質的に生存を重視した国家であること!)、限られた能力から厳しい環境で地位を確保する。民族・国家の集合意識ですね、これ重要。中国は世界中敵だらけという厳しい環境にあることを見過ごしては中国の主張が絶対理解できませんからね
 同、制約されない力を手に入れること。そしてそのような阻害・制約・環境を取り除き縛られないようにする。これが、中国の戦略に根ざす心情なのですね。力とclarification。目標や敵を力をつけることでより明確化していきます
 同、①日本のアンカーとして望ましくても米の東亜覇権を防ぐこと、②日本の軍事的台頭は中国のライバルになる、よってこれを防ぐこと③対中地域機構あるいは周辺大国の干渉を防ぐこと=ASEAN・ロ・印など。また台=印核協調を防がなくてはならない。
 つまり、中国の強さは幻想である。軍事史観・安保第一であまりにも物事を捉え、敵がどうであるかと考えすぎている。敵からsurviveすることが第一、過剰被害者意識が大だから。この過剰被害こそが、過剰安保になっている。そして台湾という誤認。普通に考えれば、台湾と戦うことは印米日を敵に回すことになる。戦略目標・軍がいかに後退するか、させるかが中国にとっての鍵となる
 p28、パワーテストがベトナム以来ない。96台湾海峡は台湾を支配する能力がないこと。米台にかなわないことを示した。
 ここまで次予測、五つの立場から分析をしたが、目新しいことでもなく何かイマイチなので飛ばしました。さらっと触れてるだけです。バランスオブパワーから、そして極構造Polarityを考えると東アのみだが、米ソ→米中構造になる。無論、以前書評で書いたようにこれはないと思います
 p38、軍は(この時点で2000年)米と対抗するまで、20~30年はかかる。さらにR&Dのインフラが足らない。さて現在のPLAの軍事技術はどうなのだろうか?まあ、今の感では米・日・台と対抗しうる軍事技術を獲得し、この比率があと10~20年程度で逆転する、あるいは追いつく―とは到底思えませんが、日・米・台がそのまま技術開発しないわけはありませんしね
 p39、大局的に多くの指揮者が中国の力は落ちるとみている。にもかかわらず中国はキープレーヤーになる。
 予算・紛争などで、中国を過剰評価するのは負担costとなる。このようなことを米はやってはならない。対応を誤らなければ各事情を考慮して、中国が戦争に踏み切ることはない。
 権威主義&ナショ&軍。この三つは等号とまではいかないが、密接に関係・比例しあう民主化に軍がキープレーヤーとなる。democratic peace/democratic transition theoryは中に当てはまらず、機構論も未熟、地域機構が発達していないから。相互依存にも軍は引きづられない。党は抑制される。核平和論から米中hot warはありえない。よくて冷戦。
 p41、感情は理性を妨げる。ナショは安保・経済・法、あらゆる合理性から遠ざかる。あらゆる論理は感情であるが、理から離れ過ぎる傾向がある。①不満そらし、②過激派、軍の目的達成のため、党エリートが国内の政治競争からナショが用いられる。ナショに訴え、人気取りをする。ナショが国民にウケルということはどこにでもあり、ある程度は普遍的に存在するもの。しかし中国は過剰になっている。いわば途上国特有の異常なウケ具合
 p42、David Shambaughはナショは経済発展と共に幾何学的に強まるという。chauvinist=愛国主義
 p44、尖閣と台湾の抑制の事例から将来の中共の正統性戦略を考える。
 p47、経済成長の初期段階では権威主義が必要というlegitimacyで共産党の支配を主張していた。天安門以来legitimacyは経済発展となり、ナショナリズム(=共産党が日本支配から中国を開放した)を上回っている。
 p48、軍・ナショは成長と対立する。二つは中国の国際政治や貿易にマイナスに作用する。ナショナリズムの中に外国と手を結んで中国の富を売っているというものがある。つまり、党への不信・腐敗が源泉にある。これが軍への支持に転化した場合中国は日本、およびアメリカ、世界にとって非常に脅威・不安定性となってしまう。しかしよく考えれば、軍も同じ位腐敗しているからなぁ、中国の場合。それもないな。軍と国民の関係がそれほど友好ではないという構造を忘れていた。すっかり失念していた。ナショと経済成長の相克構造。原因は排外主義と極端な悪魔化。
 
 p66、Diaoyu=Spratly=尖閣のこと、台湾と中国はすべて抑制した(具体例の説明)。90年は経済関係の配慮から日本政府への灯台建設に文句をつけなかった。96年の右派活動は双方火消しに走った。国内から反発やデモ活動があっても政府は乗っかることはなかった。
 p73、中国が日本を追い抜くという楽観=我慢がある。もし追い抜いたら対日強硬政策を実行に移すのか?丁度今年追い抜いたしね
 p70、七つのシナリオ、①ナショで補完・代替出来ない、指導者も巻き込む経済危機、②軍・党の強硬派の政治的挑戦。失敗でもナショ的にならざるを得なくなる、③ナショ→米日による封じ込め、④そうならない。抑制するだろうが、ナショと経済が等価交換にならず、資源価値を持つSpratly Diaoyuを獲りにでるというもの、⑤資源なし、漁業協定1997あり。よって平和共存、⑥相互依存論そのまま。中国の地位向上はないが、経済的から、この構造がずっと続く、⑦政治改革により、legitimacy確立。つまり政>経>ナショの形になる。ナショが正当性を担っているからナショに頼らずに済むというもの。楽観論。民主化か経済成長かナショかそれぞれ中国の安定化の施策です。ただしナショは国内を安定化させても大概は不安定になりますから、結局不安定化するでしょうけど。民>経>ナショというベクトルを頭に入れておくといいかもしれません。つまり民主化&経済成長&ナショも薄まるという最高の型と、権威主義体制&経済停滞&ナショも強まるといった最悪の型。その組み合わせのパターンが中国分析の基本型になるんでしょう。今は民×経○ナ×(△?)といったところでしょうかね
 
 まあ、そもそもアメリカが見る中国、アメリカの戦略から考える中国像と、日本および日本の国家戦略から捉える中国像というのは根本的に違うに決まっているわけで、あくまでアメリカのエリート上層階層の発想です。上層のものほど、ロジックが高く下層にあるものほど感情に基づいて、その場限りの鬱憤晴らしに近いです。
 そんなことはおいといて、日本の戦略から見るといかにして中国を安定化させるか、地域・世界システムに矛盾しない形で組み込むかということは非常に大きなテーマであるわけです。日本の戦略は脱従属、独立達成ですから、そのために中国という強敵をエサに日本の地位向上を図るのはまあ至極当然の話ですね。日米安保、米韓日安保、台湾さらには中東などなど軍事レジスタンスや対米貢献をして、従属構造を一つ一つ減らして対等同盟に作り変えていかなくてはなりません。東アジア諸国にはまずアメリカに対する拒否権がありませんからね。まず、拒否権をせめて持てる様にならないといけません。拒否権持ってるのは北とか、グチャグチャな国家ですしね。その点唯一まともに拒否権を持っている中国は、急激な成長を遂げているというものの、脆弱性は言うまでもないですし。まあ中国はもうすぐ必ず詰みますからね。そうならなくても重大な変革を要求され、何らかの国内危機に見舞われますし。
 まあ、上に書いたものは箇条書きですし、いちいち読んで理解してくれる人がそんなに多いとも思わないので、まとめ直しを。まあ、色字のところだけ読んでもらえれば十分です。中国が強いというのは幻想だということ。そう簡単に軍事バランスは逆転しませんし、中国は日米の軍事的脅威になりません。ナショナリズム中共が厳格に管理するでしょうしね。中共がむしろ弱くなって中国全土が混乱状態に陥ることが最も怖いですね。そういう兆候が既にチラホラ見えていますし。いち早く、野党を導入したり共産党以外の声を導入する制度を充実させないと民衆が暴力でひっくり返そうとする危険性が高まるでしょう。最後の民主化と経済成長とナショナリズムが型になっている。密接に連関していて、どれか一つでも変わったら波及して中国全体の構造が変化するんだということでも抑えておいてください。
 
 そういえばツイッターで軍事のことチラッとつぶやいたら、礼儀しらずの馬鹿が絡んできてまいりました(^ ^;)。中国は脅威でないと説明したら、中国の揚陸能力は世界二位(`・ω・´) キリッ=中国危険とか。アホでしょ(笑)。戦争は軍事的兵器だけで決まるものじゃない。そもそも中国はお得意様米日と戦争ができない。したとたん経済が止まってしまう。日米も死活的に危機に陥るが、中国はそれどころではない即崩壊する。構造上絶対両国とは戦争ができないようになっているんだって言ってもどこ吹く風ですから(´-ω-`)。
 カエルやカニじゃねえんだから、台湾に上陸だけしてどうするんだバカ!って笑えちゃいましたよ。上陸しっぱなしでどうするの?キャンプでもしてすごすのか?(笑)。空・海・ミサイル全て上回らなかったら台湾制圧=短期間での無血制圧・占領なんてできっこないのに。まあ、学問もやらずに兵器のことだけ論じる変な人も世の中には多いんですね。まあ、台湾に上陸して、カニにでもなるんでしょうね(笑)。蟹になりたい!蟹になりたいね!