てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。基本長いので長文が無理な方はお気をつけを

大阪府市長W選挙、維新圧勝も…


 書く必要もないと思うのですが、まあ一応。結果を言うと、府・市どちらのトップもおおさか維新の勝利。松井さんが202万で次点の栗原氏の105万にダブルスコアに近い数字で圧勝。そして橋下さんの後継者とみなされた吉村氏は59万で、次点の柳本氏の40万票を上回り新人ながら無難なスタート。

 ―と、そういう風に解釈して良いのでしょうか?2014年の市長選は橋下さんへのボイコットという名目で投票率自体が低かったこともあり、橋下さんは37万票しか獲得しませんでした。それを考えるとまあクリアとも言えなくはないですが、23%しかありませんでしたからね。ちなみに今回の市長選は大体50%。倍近い投票率で上回ったのが僅かだけというのはちょっと厳しいですね。

 2011年の時は、投票率約61%で75万で橋下さんが勝利、対抗馬(と言って良いのか?)の平松さんは52万。平松さんが橋下さんの強力なライバルだったことを考えると、新市長の吉村さんはおおさか維新の後継者として同じ新人同士の対決でこの数字はどうなのか?もし中央から有力な落下傘候補が来ていたら?と考えずにいられないところ。

 否決された都構想の再提案を公約に掲げているだけに、このくらいの数字で2019年になって、二期目ということになればちょっと危ないのではないでしょうか?都構想ではなく府と市のトップに、議会の多数派を取る上では政党として大阪第一政党として生きていくことは出来ても、絶対多数で都構想のような抜本的な変革をもたらすことは不可能という感じに見えますね。

 次の都構想に失敗して、政党としての意味・意義を喪失して崩壊という図式が見えるような気がしますね。府知事選が45%で、前回から7%下がり、市長選挙が50%で、10%下がってしまっていますからね。都構想の住民投票というテーマは重かったので、66%の遥か下でもそれはまあ良いでしょう。

 しかし都構想の敗北から、これから大阪都を作るぞ!という期待感があった頃とまるで変わってしまったことが数字の低下から見れると思います。二度目の再挑戦で、橋下さんという目玉がいないのに、都構想を実現させられるかと言われると…、まあ無理でしょうね。

 大阪市解体というマイナスイメージを払拭できないと思いますね。「解体でサービスが低下する」「大阪市がツケを負わされて一方的に損をする」―このイメージを覆すのは無理でしょう。堺市の賛成を勝ち取って広域行政のメリットを提唱できないかぎりは。

 まあ、今後はジリ貧なわけで、何らかの起爆剤が必要ですよね。橋下復帰だけでは元に戻っただけなので不可能ですし。なにかありますかね?

 大阪都構想が完成する前に、国政に転出して何度も失敗した。拙ブログで何回か書いたように、民主主義政治の王道、地盤作り・投票率を上げるための戸別訪問・金の掛からない選挙制度づくりをやらなかった。民主主義政治家、ポピュリストが選挙で勝つにはどうすればいいか基本がわかってなかった。

 「期待感」を「現実の成果」に結び付けられず、「失望感」にしてしまった。次の再起のためには、違う「期待感」を一から作るしかないでしょうね。やっぱり国政ではなく、地方政治。関西より西でしょうね。三大都市と北海道だけは民主党が強かった。あとは自民党が強いというのが基本構造。それをひっくり返すために、自民王国である九州・中国・四国どこかに強力なリーダーを作る。

 維新をキャッチフレーズにしているように、薩長同盟が基本ですから「薩長土肥」を新フレーズに、その三地域圏のリーダーを後方から育成支援する。西VS中央という図式が良いんじゃないでしょうかね?別に北陸でも東北でも構いませんけどね。

 なにかと公務サボり批判がありましたが、今はフリーハンドでやれるわけですから、名スカウトとして強いチームのための未来の種まきをやるのがよろしいかと思います。将来のリーダー・政治家育成をやるべきでしょう。

 そもそも一個人が政治家になり、政党を作り、さらには総理になって改革なんて一代で後ろ盾もなくやるのは突拍子も現実性もなさすぎますね。将来を見据えた後進育成というビジョンがなかったことから、まあすぐ指摘しておくべきでしたが。今の日本政治の構造だと「勢い総理」で、一年・二年総理をやって、何らかのスキャンダルで追いつめられて辞任という事になるに決まってますしね。

 わからないでもなかったですが、経済での自由競争重視に国家安保重視。それが間違いというわけではありませんが、いかんせん反対派を軽視しすぎた。それでのらりくらいいけばいいですが、対立した相手と無闇矢鱈と衝突しましたからね。勝っている内は良いですけど、負ければ手のひら返しで一敗地ですから。

 まあ、そんなことは毎度言ってるので、いいとして、前ちょろっと書いたように、引退する上でしっかりとした地盤固めをする、the大阪色を全面に打ち出すために国政政党と手を切ったのは正解なのかもしれませんね。今回の選挙結果を見ると(喧嘩別れしなければもっと数字が伸びていた可能性も捨て切れませんが…)。

 民主党の大阪地盤を切り崩し、結局は自民が得をするだけになったというのが、今のところの「おおさか維新」の成果になります。もし、その図式を打破するとしたら、「野合」した維新+民主という「受け皿」で共産党選挙協力をして、自民と戦って、与党という策しかありません。

 しかし「受け皿」が政権をとっても、また3~4年後には自民に負けることになるでしょう。分裂前の民主党のように、異なる集団の雑居。そして政策思想は根本的にかけ離れた勢力が同舟しているわけですから。

 共産と共闘することで、大阪内でのおらが政党としてのアイデンティティも揺らぎますし、「受け皿」の一勢力というのも同じでしょうね。ならば合流を拒否して、自民党に恩を売る形で、安倍総理・中央との関係を維持しておくというのも手かもしれません。自民が大阪での選挙に本腰を入れなければ、相対的に自分たちが第一党になれると考えれば合理的な判断なんでしょう。

 その代償として国政政党及びその国政政治家としては殆ど先がないことになりますけどね。まあ橋下さんなしでは、同じですから、大阪第一でそれでいいのでしょう。おおさか維新は長期的にはともかく、5年~10年位は国政はないということなんでしょうね。

 そう考えると、ヤクザの因縁の付け方のように無理やり喧嘩売って中央の国政政党維新と別れたことは、理が通ったことになりますね。橋下さんは国政政党・政治家の道をほぼ封じられた形。引退もやっぱり本気なんでしょうね。

 おおさかが親自民ならば、共産が反自民に回って民主党との選挙協力に出るのも自然ということなのでしょうか?

 民主党を解体して維新の残党を受け入れないかぎり民主の勝利・躍進はありえませんが、今の民主執行部はゴリゴリの小民主党主義、純血主義派。前途多難ですね。新政治リーダー、期待できる若手・グループ出てこないもんですかなぁ…。


 ※そうそう、大阪市の再選挙・出直し市長選挙で、選挙費用約5億が税金の無駄遣いだ!という訴訟がありまして、9月に違法性を否定された判決が出たみたいですね。まあそらあたりまえですよね、問題あろうと「民意を問う」というプロセスが否決されたらエライこと、そうそう違法認定できませんからね。

 ※2、もう一つおまけ、橋下さんは引退して復活するする詐欺で維新支持者をつなぎとめるという話を見ました。引退しても実権を握るのは変わりない、現代版闇将軍ですね。珍しいタイプの闇将軍ですね。弁護士コメンテーターが一地方で闇将軍というのが現代を象徴する話になるのでしょうかね。