てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。基本長いので長文が無理な方はお気をつけを

三国志的な何か

とりとめもないメモ 森本淳「曹魏軍制前史-曹操軍団拡大過程からみた一考察-」

森本淳「曹魏軍制前史-曹操軍団拡大過程からみた一考察-」という論文があるらしい。内容は読んでないのですけども、ツイートで拝見してググッたら雲子春秋三の解説ページがあったので、それを読んで、へぇ面白いなぁとおもいました。 論文「曹魏軍制前史」…

【三国志ノート】 三国志巻2からの続き

【三国志ノート】 三国志巻2から気になったところを抜書きの続きです p139、例の人質ごと討つというやつ。夏侯惇殺されないでよかったですね。 p141、夏侯楙の金儲けと女で、曹操の娘清河公主と揉める。 p144、官渡の時夏侯淵が食糧輸送で典軍校尉。その重要…

【三国志ノート】 三国志巻2から気になったところを抜書き

正史 三国志〈2〉魏書 2 (ちくま学芸文庫)/陳 寿 ¥1,575 Amazon.co.jpから、気になったところをちょくちょく書きます。なぜか二巻から。 列伝七 p10、呂布の裏切りについて―第一のケース丁原。同郷ならそのグループ・人間紐帯から追放されてしまうから、呂…

渡邊さんの三公・軍府とかから

書こうと思って全然書いていなくて、ようやく書くところ。まずは渡邊さんの論文から始めていこうと思います。 さて、前漢では尚書が権力の中心だったという西嶋説があり、それを直接ではないが後漢でも尚書が権力を持っていたという形で発展させた鎌田説があ…

荀勗とXun Xu and the Politics of Precision in~の話

あめ @Xun_xuさんという方が 「Xun Xu and the Politics of Precision in Third-Century AD China」という荀勗の本、もち洋書をツイッターでつぶやいていました。せっかくなのでそれの感想を書きたいと思います。 まあ最初はやはりタイトルなんですが、the…

松下憲一さんの話、史学会のまとめ読んで

三国志の話を書くといって、全然書いてないんですが、宮崎先生の本をようやく読み終わって、まとめを書こうか書くまいか。ンで穴埋め程度に史学会の例年のまとめのページの話でも。 といってもたいした話でもないんですが、 北魏胡族体制論 (北海道大学大学…

梁冀論

なんかこんなもんがあったんで、こんなものを掘り返して貼ってみよう。梁冀論です。猟奇的な彼女ならぬ、梁冀的な舅。西域を考えようとするも、全然なんかまとまらない、ピンと来ない。西域がおそらく後漢のキーといっても、いや前漢にまで及ぶ問題でものす…

後漢書 第九冊から

この前の続きって言うほどでもないけど、ちょっと思ったこと。 周辺北方部族を見るとむしろ弱い。圧倒的な弱さ。檀石槐がたまに勝ったくらいで、後はほとんど漢に負けっぱなし。そんな統率力のかけらもなかった北方遊牧部族がどうやって国家を造ったのか?そ…

中国古代農民叛乱の研究/木村 正雄

中国古代農民叛乱の研究/木村 正雄 ¥11,550 Amazon.co.jpまあ、相変わらず適当な読み方になるんですけど。気になったところをチョコチョコ書きます。中国古代専制主義を支えた斉民制という論じ方から、感じたこと。いわゆるウィットフォーゲルの東洋的専制…

後漢国家論 世界の辺境における専守防衛国家・階層の分断による地方自治国家

書こうと思って書くの忘れていた後漢国家論の重要なテーマ。武を卑しむ、軍隊否定と廃止。廃止というか最小限化、つまり軍縮ですね。後漢国家として見逃してはならない事実。光武帝が中央軍を廃止したことが如実にそれを示している。何故軍隊を廃止したか?…

道教読書録③

道教の世界 (「知の再発見」双書)/ヴァンサン・ゴーセール ¥1,680 Amazon.co.jp p20結婚により階級が上がる=子を持つ=組織の拡大であろうか?階級ごとに経典、守るべき規律が異なる。このなかには古代中国の神を信仰するなというものもがある。 星や道そ…

道教読書録②

中国古代の祭礼と歌謡 (東洋文庫)/M. グラネ ¥3,360 Amazon.co.jp 詩経から見る古代中国人の生活様式。労働共同体と、家族共同体の二種類のパターンがあった。いわゆる家族で生活を営むのではなく、労働の時期は男女が別々の暮らしを営んで、冬に共同生活を…

石井仁さんの『曹操』から(六節)

前回の五節はこちら→石井仁さんの『曹操』から(五節) 七節はこちら→まだよ… 曹操―魏の武帝/石井 仁魏の武帝 曹操 (新人物往来社文庫)/石井 仁こっちDMMリンク、誰もDMMから買わないけどね。 曹操―魏の武帝/石井 仁 ¥2,940 Amazon.co.jp魏の武帝 曹操 (新人…

道教覚え書き というか読書録

道教の本ろくなのないなぁ…。今のところ。メモ程度に読んだ本について 中国人の宗教 (東洋文庫)/マルセル グラネ ¥2,520 Amazon.co.jp中国古代の祭礼と歌謡 (東洋文庫)/M. グラネ ¥3,360Amazon.co.jp グラネはマルセル・モースとなんか関係あるのか?一族…

後漢国家論のおまけ 後漢書からちょっとした思い付き。

ブログを再開したら、なんか頭重いな~。と思ってたら、カゼ引きました(笑)。再開してすぐまた停止(^ ^;)。んで、日曜ずっと寝てました。鼻炎なんで年中鼻水出てるので、カゼと気づかなかった。熱は無かったし、なんかのどの調子悪いな~ぐらいで。何で眠い…

後漢書 第十冊から

後漢書〈第10冊〉列伝(8) 巻七十五〜巻八十/岩波書店 先に書いておいたほうが、論を進める上でいいかなという感じで、ちょっと書きます。【列伝七十六】 P63、祝良が数万降し、皆良のため府寺を築く。この時代の寺とはどういう意味があったのか?戦勝、首級…

石井仁さんの『曹操』から(五節)

もはや、あんまり書くことはないが、最後までチャチャットやりましょう。 前回の四節はこちら→石井仁さんの『曹操』から(四節) 六節はこちら→まだよ… 曹操―魏の武帝/石井 仁 魏の武帝 曹操 (新人物往来社文庫)/石井 仁 王允・呂布後、董卓の故将が長安を攻め…

昔書いたものを見直してみた②

潜在的に袁術>袁紹という思い込みがあって、家柄・血統とか。実際そうではないと読み返して、いや読み返さなくてもわかるんだけど、改めて実感。己が今まで書いたものにはこの意識があるから、まあこの時代のちゃんとした知識を持つ人なら、?となってしま…

昔書いたものを見直してみた①

己が書いたものを見直して、ちょっと整理したものを書いてみます。 そうそう、矢野先生の本がないんで、諦めてたら、『門閥社会成立史』でしたね。ありました。早速読んでみようと思います。この前、司書の人に聞いたら、ありませんねぇ~と思いっきりいわれ…

宮崎市定さんの『史記を読む』を読みつつ思った史料の話

さて、いまさら何を言っているのか?というレベルの話なんですが、史料について。宮崎市定さんの『史記を読む』なんか触れながら、改めてああ、司馬遷ってそんなにたいしたこと書いているわけでもないのに何で評価されているんだろう?と思っていたら、やっ…

袁紹派と袁術派という見方は正しいか?

紫電Pのこの動画見てて、いろんなことを思った。ああ、そうか、そういえば劉備は袁紹派と見たほうがスッキリするのか。公孫瓚の下から徐州へ行った時点で、袁紹派か。そう考えると袁術様にお譲りしては?というセリフも袁術派に対する牽制であり、イヤ、われ…

石井仁さんの論文の感想

『「地方分権化」と都督制』 「使時節都督諸軍事」、略して都督。都督中外諸軍事に曹爽がついたことからわかるように、輔政宰相の職。南北朝時代になると、次期皇帝が即位直前に任命される、特別な官職と位置づけられる。これは隋唐まで続く。 都督は軍府を開…

石井仁さんの『曹操』から(四節)

前回の三節はこちら→石井仁さんの『曹操』から(三節) 五節はこちら→石井仁さんの『曹操』から(五節) 曹操が覇権を確立する一ステップですね。青州兵、兗州牧、徐州侵攻、呂布戦争。そんなところですね。例によって太字拙感想。一ヶ月もあいちゃいましたね。…

西園軍についての一考

昭熹さんの上谷氏の論文の記事でコメントした西園八校尉、西園三軍について、せっかくだからまとめておこうと、こっちに記事で残しておきます。 その前に清流派・濁流派について一メモ。清濁という官の別。殆ど身分制といってもいいような区分はまるで先祖が…

道教について補足

肝心なことを書き忘れていたので追加。 国家に三老を置く、儒教的な枠組みにのっとりながらも、地方の三老を管理する新しい官職の創設なのだろうか?運用、実態はあったのだろうか?気になるなぁ… 道教の諸要素として黄老思想、老荘思想。神仙、修行して仙人…

霊帝改革の道教施策について

さて、暫定的ではあってもとりあえず道教についてのまとめを。 【霊帝と道教について】 霊帝の道教改革ではなく、霊帝の改革のうちの道教施策ですね。霊帝はあくまで道教を利用しようと、統治政策に取り込もうとしましたが、結局失敗したという点。この点に…

宗族社会についての覚え書き、メモ

覚え書き。メモばっかになりそうだな。今後。 中国の宗族について。父系社会の中国では父系集団で宗族を作る。宗族には輩行(世代、ジェネレーション)があって、その序列によって宗族内の格が決まる。実際は年下の人間にでも、自分の方が輩が下なら、つまり世…

石井仁さんの『曹操』から(三節)

とうとう第三章。霊帝編です。霊帝名君論を提唱していた己としては放ってはおけないところ。霊帝の改革を詳しく見ていきましょう。あ、コレ章じゃなくて、節ですね、単位。節に直しておきます(^ ^;)。例によって太字拙感想。 前回の二節はこちら→石井仁さん…

石井仁さんの『曹操』から(二節)

毫釐の差は千里の謬 《「礼記」経解から》―この言葉ずっと気になっていて最近ようやく思い出しました。メモメモ。 さて、こんなペースでいいのだろうか?そして誰得なのか?第二節です。拙意見太字。前回の一節はこちら→石井仁さんの『曹操』から(一節) 三節…

石井仁さんの『曹操』から(一節)

メモ的に気になったところを抜書き&太字感想。例によって初見殺し。二節はこちら→石井仁さんの『曹操』から(二節) 魏の武帝 曹操 (新人物往来社文庫)/石井 仁 曹操―魏の武帝/石井 仁 p8完全無欠の超人でもない曹操の実像にせまること。本書にあたえられた、…